不動産を売却せず保有を続けたらどうなる?収益シミュレーションで検証

法人化・出口戦略

はじめに

不動産投資の出口戦略というと「売却」が真っ先に浮かびますが、もうひとつの選択肢が「保有継続」です

売却すれば一度にキャッシュを確保できますが、税金や手数料を差し引くと想定より手取りが少ないケースもあります

一方で保有を続けることで、家賃収入を得ながらローンを返済し、将来的に「無借金の資産」を残せる可能性があります

今回は、筆者が実際に保有している新宿区の区分マンション(築10年・1K・26㎡)を例に、「保有継続シナリオ」をシミュレーションしてみます

前提条件

  • 家賃収入:月額98,000円(年間117.6万円)
  • ローン返済額:月額11万円(年間132万円)(残り約25年)
  • 管理費・修繕積立金:月額1万円(年間12万円)
  • 固定資産税:年間13万円(2025年現在)
  • 想定空室率:5%(年換算で約0.6か月分空室と想定)

保有継続の年間キャッシュフロー試算

年間収入

  • 家賃収入:117.6万円
  • 空室リスク(5%引き):▲5.9万円
    👉 想定入居率95%での収入=111.7万円

年間支出

  • ローン返済:132万円
  • 管理費・修繕積立金:12万円
  • 固定資産税:13万円
    👉 合計支出=157万円

年間キャッシュフロー

  • 収入:111.7万円
  • 支出:157万円
    👉 年間▲45.3万円(マイナス)

空室リスクを考慮すると更に収支は厳しくなります

今後5年・10年シミュレーション

  • 5年間保有すると:▲226万円(ローン残債は大幅に減少)
  • 10年間保有すると:▲453万円(ローン残債はさらに減少し、資産性が高まる)

キャッシュフロー自体はマイナスですが、ローンを着実に返済することで純資産(物件価値−ローン残債)が積み上がると考えられます

保有継続のメリット

  • ローン完済後に無借金物件が残る
    → 完済後は毎月約7万円(家賃収入−経費)の純収入が見込める
  • 税金繰延べ効果
    → 売却時にかかる譲渡所得税を今は払わずに済む
  • 安定した家賃収入
    → 老後の年金的収入になる
  • 資産承継
    → 相続時に現物資産として引き継げる

将来的な戦略が保有継続の判断に欠かせません

保有継続のデメリット・リスク

保有継続するにしても、リスクを想定することは大事です

  • 空室リスクや賃料下落の可能性
  • 修繕費負担の増加(築年数が進むほど大規模修繕リスク大)
  • 金利上昇リスク(変動金利の場合)
  • 売却タイミングを逃すリスク

定期的に、運営の状況や金利や市場の状況の把握はしておく必要がありそうです

売却シナリオとの比較

  • 売却シナリオ
    過去の資産で、売却価格3,200万円でも手取りは157万円にとどまる
  • 保有継続シナリオ
    キャッシュフローは赤字だが、ローン返済で純資産が積み上がり、将来的に月7万円規模の安定収入が期待できる

どちらが正解かは投資家のライフプラン次第。
「短期的な現金を取るか、長期的な資産性を取るか」が分かれ道と考えられます

まとめ

不動産投資の出口戦略は「売却か保有か」の二択ではありません
キャッシュフローが赤字でも、ローン返済を通じて純資産が積み上がるのが保有継続の強みです
ライフプランや老後資金戦略に照らして、どの選択が自分に合うかを見極めることが重要です

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