サラリーマン不動産投資のリスクには何がある?一覧と対策を徹底解説

リスク・管理・運営

はじめに:なぜ「リスク」を知ることが最初の一歩なのか

「サラリーマンの副業として不動産投資」という言葉は、今や珍しくなくなりました

ネットやセミナーでは「家賃収入で不労所得」「ローンは家賃で返済できる」「節税効果で給与アップ」といったメリットばかりが強調されがちです

しかし、実際に不動産投資を経験した身として言えるのは、不動産投資には必ずリスクがあるということです

しかも、そのリスクは初心者が想定している以上に複雑で、時に想定外の大きな出費やストレスを生みます

この記事では、実際に私が体験した失敗談や具体的な数字を交えながら、サラリーマン不動産投資における7つの主要リスクと対策を整理しました

これから始める方が冷静に判断できる材料として活用していただければと思います

資金・ローン関連のリスク

フルローンはリスクの温床

サラリーマン投資家の多くが「頭金ゼロ・フルローン」で物件を購入します。私も例外ではなく、ほとんど頭金を入れずにフルローンで購入しました

例えば、ある区分マンション投資の返済比率は以下の通りです。

  • 家賃収入に対するローン返済比率:約84%(金利込み)
  • 金利を除いた返済比率:約44%

つまり、金利を含めると家賃収入のほとんどが返済に消えてしまい、手元に残るキャッシュフローはごくわずかです

空室や修繕が発生すれば、すぐに赤字化する構造でした

対策

頭金を入れる:可能であれば1〜2割の頭金を入れることで返済比率を下げる

長期金利上昇に備える:金利交渉の余地があるアパートローンなら、こまめに金融機関と交渉して負担を減らす

自己資金をキャッシュで持つ:常に家賃3〜6か月分の運転資金を確保しておく

空室・家賃下落リスク

区分マンションとアパートの差

実際に感じたのは、物件の種類で空室リスクが大きく異なるということです

  • 新築区分マンション
    空室になりにくく、すぐに入居が決まりました。立地と新しさが武器となり、家賃もむしろ上昇しました
  • 中古1棟アパート(都内から離れた関東圏)
    空室が目立ち、入居付けのためにフリーレント(1〜2か月家賃無料)を設定する必要がありました。家賃は運用開始時より1〜2割下落

つまり、同じ「不動産投資」でも、区分とアパートでは収益安定性に大きな差が出ます

対策

立地重視で購入:物件価格よりも、人口動態や駅距離を優先する

リフォーム・差別化:競合物件との差をつけるため、内装や設備を改善する

出口も考慮:将来売却することを前提に、資産価値の落ちにくいエリアを選ぶ

修繕・維持費用リスク

想定外の出費が頻発

不動産は「持っているだけ」でお金がかかります

  • 区分マンションの管理費・修繕積立金:購入時から合計1割上昇
  • 中古アパート:漏水トラブルで修繕費140万円。しかも管理会社の対応が遅く、修理完了まで2か月を要しました
  • 区分マンション:エアコンやガス機器交換など、数十万円単位の修繕が度々発生

中古アパートでの漏水トラブルについてはこちら

こうした費用は事前に想定していても、発生時期が読めず、心理的にも資金的にも大きな負担となります

対策

修繕積立を別口座で確保:月々のキャッシュフローの一部を強制的に積み立てる

管理会社に相見積もりを依頼:修繕費用の透明性を高める

築年数を意識して購入:築20年を超えると修繕頻度が一気に増える

税金・節税リスク

思ったより戻らない節税

「減価償却による節税効果」は確かにありました。当初は給与所得と相殺し、数十万円単位の税金が戻ってきました

しかし、民泊経営が軌道に乗り出すと、利益が増えたことで逆に税金負担が重くなり、「思ったより戻らない」という現実に直面しました

また、固定資産税や都市計画税は想定以上に重く、毎年の負担感が大きいです

対策

利益が出る段階を想定する:節税だけを目的にせず、利益が出ても耐えられるプランを立てる

法人化も検討:規模が大きくなったら法人に切り替え、経費計上を柔軟にする

税理士に相談:特に民泊や複数物件を持つ場合は専門家のアドバイス必須

市況・外部環境リスク

金利上昇とコロナショック

不動産投資は自分の努力だけではコントロールできない外部要因に大きく左右されます

  • 金利交渉の実例
    • 交渉前:金利4.5% → 月返済 約84万円
    • 交渉後:3.5% → 約75万円
    • 再交渉:2.8% → 約69万円
      → しかし、近年は再び金利上昇傾向で負担が増えています。
  • コロナ禍の民泊
    観光需要が一気に消滅し、稼働率がゼロに近い状態に。空室になりにくい区分マンションとの対比で、「収益の安定性」がいかに重要かを痛感しました

コロナ禍が民泊を打撃した話はこちら

対策

市況に依存しすぎない:民泊や商業系は収益変動が大きいため、安定型の区分と組み合わせる

金利の固定化も検討:変動金利だけでなく、一部固定を組み合わせてリスクヘッジ

管理会社リスク

管理次第で利益が変わる

管理会社の質は、投資成果に直結します。

  • 悪い経験:連絡が遅く、修繕費用も不透明。
  • 改善後:別の管理会社に変更し、相見積もりの仕組みを導入。コストと対応スピードが大幅に改善。

区分マンションでは管理会社をオーナーが選べない不自由さも実感しました。経営者が利益優先の会社では、住人対応や修繕管理も後手に回る傾向がありました

対策

管理会社の比較は必須:少なくとも2〜3社から提案をもらう。

定期的に見直す:物件の状態が変われば管理会社の見直しも必要。

信頼できる担当者を持つ:担当者の質がすべてを決めるといっても過言ではない

出口戦略リスク

「買ったら終わり」ではなく、出口をどうするかが投資の成否を決めます

私自身、独立やマンション価格の高騰ニュースをきっかけに「売却」という選択肢を意識しました

ただし実際に査定を取った経験はありませんが、多くの投資家が「売却してもローン残債を返すと手残りが少ない」という現実に直面しています

出口戦略についてはこちら

対策

購入前に出口戦略を想定:10年後に売るのか、相続を意識するのか

キャッシュフローと出口の両立:短期キャッシュ狙いか、長期資産形成かを明確に

まとめ:サラリーマン不動産投資のリスクと向き合う

ここまで紹介したリスクを整理すると、以下の7つに集約されます

  1. 資金・ローンリスク
  2. 空室・家賃下落リスク
  3. 修繕・維持費用リスク
  4. 税金・節税リスク
  5. 市況・外部環境リスク
  6. 管理会社リスク
  7. 出口戦略リスク

不動産投資は「やれば儲かる」ものではなく、冷静にリスクを知ったうえで挑む必要があるビジネスです

特にサラリーマン投資家は、本業の安定を背景にローンを組める一方、時間や経験が不足しがちです。その弱点を補うために、事前の学びと備えが欠かせません

読者の皆さんには、この記事を通して「不動産投資には多面的なリスクがある」という事実を理解し、リスクを知り、準備してから始めるという行動を取っていただければと思います

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