※本記事で紹介するストーリーはフィクションですが、実際にありがちな民泊投資の失敗リスクを整理したものです
はじめに:なぜ民泊投資がサラリーマンに人気なのか
ここ数年、Airbnbをはじめとする民泊事業は「少額から始められる副収入」として人気を集めてきました
特にサラリーマン投資家にとっては、「本業を持ちながら不労所得を得られる」 という魅力が大きく、区分マンション投資やアパート経営と並ぶ選択肢として注目されています
しかし、民泊はホテル・旅館と同じ「宿泊業」であり、法律・規制・需要変動に大きく左右されるビジネスです

一見、始めやすそうに見えても、実際には多くのリスクが潜んでおり、「サラリーマン不動産投資の失敗リスク」として代表的なテーマの一つです
フィクションストーリー:30代サラリーマンの民泊挑戦と失敗
健太さん(仮名)は32歳、都内メーカーに勤めるごく普通のサラリーマンです
年収は600万円。結婚はしておらず、一人暮らし。将来への漠然とした不安から、副収入を得たいと考えるようになりました
そんなとき、YouTubeで「民泊で月30万円の副収入」「サラリーマンでもできる不動産投資」という動画を目にします
語り口は自信にあふれており、映像の背景には高級車やタワーマンション

「自分もやれば変われるかもしれない」
と意気込むのでした
民泊への一歩目
セミナーに参加した健太さんは、講師から「初期費用は300万円程度。あとはAirbnbに登録すればすぐに稼げます」と説明を受けます
銀行融資は難しいとされましたが、「カードローンを使ってでも回収できる」と背中を押されました

貯金200万円に加え、消費者金融から100万円を借りて、都内の駅近ワンルームを賃貸契約。家具家電を揃え、Airbnbに物件を掲載しました
華やかなスタート
公開直後から予約が入り、初月の売上は40万円を超えました

「やっぱり民泊は儲かる!」
SNSには宿泊者の好意的なレビューが並び、健太さんの気持ちは高揚していました。職場の同僚に自慢げに話したこともあります
予想外のトラブル
しかし順調なのは最初の数ヶ月だけでした
ある日、近隣住民から「夜中にうるさい外国人がいる」と苦情が入りました
ゴミ出しの日を守らない宿泊者も多く、マンションの掲示板には「民泊反対!」の張り紙。管理会社からは厳重注意を受けました
さらに翌年、法律が改正され、営業日数に制限がかかりました。健太さんの部屋は条件を満たせなくなりました。

グレーな形での運営を続けざるを得なくなりました・・・
コロナ禍で一気に崩壊
そして、決定的な出来事が訪れます。新型コロナウイルスの流行です
外国人観光客は消え、予約は全てキャンセル。売上はゼロに近づきました
それでも固定費は待ってくれません。
- 家賃:10万円
- 光熱費・清掃費:5万円
- ローン返済:4万円
毎月15万円近い赤字が発生

積立貯金も底を尽きました・・・・・
苦渋の撤退

このまま続けても破産する…
そう悟った健太さんは、1年半で民泊事業を撤退しました。残ったのはカードローンの残債と、処分に困る家具家電
YouTubeで夢見た「月30万円の副収入」は幻に終わり、健太さんの通帳には赤字の記録だけが残りました
民泊投資の失敗リスク一覧
このストーリーの中に、サラリーマン不動産投資の失敗リスクが凝縮されています。代表的なリスクを整理すると以下の通りです。
法規制リスク
- 住宅宿泊事業法(民泊新法)、旅館業法、自治体条例など、エリアによって基準が異なる
- 突然の規制強化(営業日数制限、近隣住民同意の義務化など)で収益がゼロになる可能性
需要変動リスク
- 観光需要に依存するため、コロナ禍のような外的要因で一気に収入が消える
- 為替、国際情勢、イベント開催状況に左右されやすい
近隣トラブルリスク
- ゴミ問題、騒音、マナー違反で住民との関係が悪化
- 苦情が積み重なると管理組合や大家から契約解除を求められるケースもある
運営コストリスク
- 清掃費用、光熱費、シーツや備品交換のコストが高い
- 売上が下がると、固定費(家賃やローン)が重荷になる
融資リスク
- 民泊は金融機関からの評価が低く、ローンが通りにくい
- 無理にカードローンや高金利融資を利用すると、失敗時の負担が拡大する
撤退コストリスク
- 家具・家電・内装の初期投資が無駄になる
- 法的に撤退義務が発生する場合もあり、解約費用がかさむ
初心者サラリーマン投資家が陥りやすい思考パターン
- 「YouTubeで儲かると言っていたから大丈夫」
- 「周りもやっているから自分もいけるはず」
- 「最初の数ヶ月が黒字だから今後も安泰」

この思考が典型的な失敗につながりがちです
対策と学び
では、民泊投資に挑戦するサラリーマンは、どのような点に注意すべきなのでしょうか?
法規制を徹底的に調べる
- 自治体の民泊ルールを確認し、将来の規制強化リスクも想定する
- 許可取得が難しいエリアでは「やらない判断」も必要
需要を読み間違えない
- 外国人観光客だけに依存せず、国内需要を見込めるかをチェック
- 特に「観光地のない郊外」はリスク大
融資と資金計画に余裕を持つ
- カードローンや高金利借入は避ける
- 最悪1年間稼働ゼロでも耐えられる資金計画を立てる
運営体制を整える
- 清掃・鍵管理・トラブル対応を外注するか、自分でやるか明確にする
- 本業に影響を与えるなら、投資としては不適合
出口戦略を考える
- 物件を民泊以外に転用できるか(普通賃貸に戻せるか)
- 転用不可ならリスクは極めて高い
まとめ:民泊は「夢があるがリスクも極大」
サラリーマン不動産投資における民泊は、区分マンションやアパートと比べて短期間で大きな収益を狙える一方、失敗リスクも非常に高い ビジネスです
「流行っているから」「SNSで稼いでいる人がいたから」という理由で飛びつくと、今回のストーリーのように大きな赤字を抱えて撤退することになります
本記事で紹介したリスクと対策を理解し、民泊投資を選ぶかどうかを冷静に判断してください

「不動産投資のリスクを知った上で、本業と両立できる投資スタイルを選ぶ」 ことをおすすめします


