合同会社から株式会社に変えたら融資審査はどうなる?信用力の違いを解説

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はじめに:なぜ「株式会社化」が融資で有利といわれるのか

不動産投資を始める際、初期コストを抑えるために「合同会社」で設立するケースは有ると思います

設立費用が安く、運営の自由度も高いことから、特にサラリーマン投資家の「最初の法人」の選択肢の一つです

しかし、ある程度の規模に達し、新たな物件の購入や融資枠の拡大を検討する段階になると、株式会社の方が有利になると言われています

なぜ金融機関は株式会社を好む傾向にあるのでしょうか?
その理由を理解するには、銀行が融資審査で重視する「信用力の見方」を知ることが近道です

本記事では、金融機関が法人形態をどのように評価しているのか、そして合同会社と株式会社の「信用力の違い」が実際にどのように影響するのかを整理して解説します

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金融機関が見る「信用力」の3つの要素

金融機関が法人を評価する際、注目するのは登記上の形だけではなく、「どれだけ透明で説明可能な経営がされているか」という点です

ここでは、評価の基準となる主な3つの要素を見ていきましょう

①法人形態の透明性と社会的信用

株式会社は登記内容が明確で、公告義務(決算公告など)もあるため、外部から見ても経営実態を把握しやすい構造です

一方、合同会社は公告義務がなく、情報開示が最小限にとどまるため、「どんな会社なのか」が第三者には分かりづらいという特徴があります

そのため、銀行から見ると「株式会社=透明で信頼できる」「合同会社=閉鎖的で情報不足」という印象を持たれやすく、特に初回の取引や新規融資では、説明や補足書類が求められることが多くなります

②経営体制の整備度

株式会社では、取締役や株主構成が定款や登記簿で確認でき、意思決定プロセスも一定のルールで運営されます

これにより、ガバナンス(経営管理)の仕組みが見えやすくなり、金融機関も安心して取引できます
一方、合同会社は出資者=経営者という形態が一般的です

経営判断がすべて代表社員に集中するため、機動的な反面、「リスク管理体制が弱い」と見なされることもあります

特に、複数物件を保有するようなステージでは、「組織としての管理能力」を重視する銀行ほど、合同会社に対して慎重な姿勢を取る傾向があります

③財務情報の整合性

株式会社は会計基準や決算報告の形式が一定しており、金融機関の審査部門でも比較・分析しやすい体制が整っています

一方、合同会社は内部的な自由度が高いため、勘定科目や費用計上の扱いが会社ごとにばらつきやすいという特徴があります

その結果、金融機関の融資の審査において「補足資料を求める」「内容の確認に時間がかかる」といったことも少なくありません

形式そのものよりも「説明可能な会計管理体制かどうか」が、融資可否を分ける要因になります

合同会社のままだと融資で不利になる場合

では、実際に合同会社のままで不利になるケースとは、どのような場合でしょうか
まず知っておきたいのは、金融機関によって法人形態の扱いが異なるという点です

地方銀行や信用金庫の中には、合同会社を「実質的に個人事業に近いもの」と見なすケースがあります

これは、ガバナンスや情報公開の仕組みが簡素なため、「代表者の信用」に重きを置く傾向があるからです

この場合、融資審査は「法人」よりも「個人の実績・資産背景」に依存しやすく、法人格による信用補完が効きにくいのが実情です

特に次のような状況では、不利に働くことがあります

  • プロパーローン(保証協会なし)や、代表者保証を伴う融資を申請する場合
  • 新規取引の銀行や、事業拡大フェーズで初めて大口融資を受ける場合
  • 他の投資家や取引先と比較される場面(共同購入・事業提携など)

これらの局面では、「会社の形式」よりも「信用の見え方」が重視されるため、合同会社では説明や補足書類が多く求められる傾向にあります

小規模物件の取得段階では合同会社でも十分対応可能ですが、複数棟保有や新規法人との共同事業など、規模拡大フェーズでは融資面の制約が出やすくなります

株式会社化によって評価が高まるポイント

合同会社から株式会社に変更することで、金融機関や取引先からの見られ方が変わるのは事実です これは「会社の形式」そのものというより、株式会社に求められる透明性・制度性・継続性が、自然と信用評価の向上につながるためです

ここでは、株式会社化によって評価が高まる代表的な3つのポイントを見ていきましょう

①社会的信用の向上

株式会社は、定款・登記簿・公告義務といった制度により、外部からの情報開示が義務付けられています
決算公告を行うことで、企業としての透明性が担保され、金融機関や取引先に対して「しっかりと管理されている法人」という印象を与えることができます

一方で、合同会社には公告義務がなく、登記情報も最小限です。銀行担当者からすると「情報量の少ない会社」は、審査時にどうしても確認すべき項目が増え、判断材料が不足しやすくなります

株式会社化によって、取引や融資の際に余計な説明を省けることは、審査の円滑化にもつながります

②経営体制の見える化

株式会社では、取締役・監査役・株主構成などが登記簿上に明示されるため、会社の意思決定体制が外部からも把握しやすくなります また、定款に記載された「事業目的」が明確であるため、銀行は「何のために資金を借り、どんな事業として運営しているのか」を書面上で確認できます

これは、審査担当者にとって非常に重要な要素です、なぜなら、金融機関は「融資金が事業のどの部分に使われるのか」を明確に説明できる企業に対して、より信頼を寄せる傾向があるからです

結果として、株式会社化は「説明のしやすさ」=「信頼されやすさ」につながるといえるでしょう

③法人格の安定性

株式会社は、株式の譲渡制度によって出資者の変更や事業承継が柔軟に行えるという特徴があります これは、企業の継続性を重視する金融機関にとって大きな安心材料です

一方、合同会社では出資者=経営者であるケースが多く、出資比率の変更や承継には手続き上の制約が生じやすい構造になっています

株式会社化によって、「経営体制の安定性」「将来的な承継の見通し」が明確になることで、長期融資や複数物件をまたぐ融資案件でも信頼を得やすくなるという効果が期待できます

総じていえば、株式会社化によって「審査が通りやすくなる」というより、銀行側にとって「説明が通じやすくなる」ことが実態です

金融機関が求める「理解しやすさ」「信頼しやすさ」を形にできるのが株式会社化の最大のメリットといえるでしょう

注意点:株式会社化=自動的に信用アップではない

ここで注意したいのは、株式会社化そのものが即座に信用力の向上を意味するわけではないという点です

会社形態を変更しても、決算内容が赤字続きであったり、返済実績が乏しい場合には、融資審査での評価はほとんど変わりません

金融機関が重視するのは、あくまで「数字に裏付けされた経営の実態」です

  • 決算内容が安定しているか
  • 返済実績が積み上がっているか
  • 将来の資金繰りが合理的に説明できるか

これらが整っていなければ、形式を変えても本質的な評価は上がらないのが現実です

したがって、株式会社化を機にやるべきは、「法人格を整える」ことではなく、「経営内容を明確化する」ことです

経営の見える化と会計管理の精度を高めることで、はじめて株式会社化の効果が最大限に発揮されます

まとめ:融資審査で問われるのは「会社の形」よりも「経営の透明性」

株式会社化は、確かに融資審査で一定の信頼を得やすくなります 登記や公告義務といった仕組みが整うことで、企業としての透明性が高まり、金融機関の理解を得やすくなるからです

しかし、最終的に評価されるのは「財務の健全性」や「経営の安定性」であり、会社形態そのものではありません

つまり、合同会社から株式会社への変更は、単なる形式上の変更ではなく、 次の成長ステージへ進むための準備と捉えるべきです

法人としての信用を「形」で整え、 その上で「中身(経営内容)」を磨いていくことで、金融機関からの信頼は確かなものになるでしょう

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