はじめに:なぜ「拡大期の融資戦略」が中級者の最大の壁なのか?
1件目はスムーズに買えたのに、2件目・3件目で突然融資が止まる
サラリーマン投資家がぶつかる代表的な壁の一つが「拡大期の融資ストップ」です
これは、属性が原因とはかぎりません、「拡大期に使うべき銀行」が適切では無い場合があります
不動産投資は、同じ物件でも銀行が変われば融資の可否が変わる世界です
銀行選びは重要な戦略のひとつです
サラリーマンは、融資においてもっとも大きな武器となる「属性」を持っています
この武器を最大限に機能させる手段の一つで、「どの順番で銀行にアプローチするか」があります

本記事では、拡大期(2件目〜5件目前後)に使う銀行と避ける銀行についての考え方について解説します
第1章:拡大期のサラリーマンが理解すべき融資の基本構造
不動産融資の判断は、次の3つの掛け算で決まります
- 属性(年収・勤務先・勤続年数)
- 物件の収益性(キャッシュフロー・立地・資産価値)
- あなたの返済実績(既存借入の返済状況)
この3つのうち、拡大期でネックとなりやすいのは属性ではありません
銀行の融資の目的は運用して利益を上げることなので当然「収益性」と「返済実績」が重視されます
年収700〜1,000万円帯は「差がつきやすいゾーン」
この帯のサラリーマンは、一見「融資が出そう」に見えますが、銀行によって評価が大きく変わります
- 地方銀行の場合は積極的
- 信用金庫の場合は関係性次第
- 都市銀行の場合はまだ対象外
- ノンバンクの場合は物件次第
どの銀行を選択するかによって、借りられる額、審査の反応が異なります
2件目で詰まるのは「属性が弱い」からではない
中級者で誤解するケースは、
最初の銀行で融資が出なかったのでもう属性的に拡大は無理だ
という思い込みです
銀行ごとに融資基準・返済比率の見方・担保評価の出し方がバラバラです

相性の良い銀行を見つける必要がある、ということを理解しておきましょう
第2章:属性を活かせる「攻めの銀行」とは?
拡大期にサラリーマンが積極的に使うべきは「攻めの銀行」です
これは、属性をプラス評価してくれる銀行や、関係性を重視する金融機関を指します
地方銀行:返済比率・地域性重視で最も使いやすい
地方銀行は以下の特徴があります:
- 地元エリアの物件なら融資姿勢が積極的
- 年収より「返済比率」や「物件収益」を重視
- サラリーマン属性はむしろ高評価
- 支店による差が極端に大きい
地方銀行は、2件目・3件目の主戦力として選びやすい銀行です
信用金庫:属性より「関係性の強さ」で決まる
信用金庫は、銀行の中で最も「人間関係」が効く金融機関です
- 担当者があなたをどう評価するかが最重要
- 「紹介」や「継続的な取引」があると一気に枠が広がる
- 法人化後も長期的なパートナーになりやすい
融資枠も意外と大きく、一度関係ができると5件目・法人化後まで付き合えることもあります
ノンバンク:拡大フェーズの「つなぎ」として優秀
ノンバンクは金利は高めですが、
- 年収・返済比率に左右されにくい
- 「物件の収益性」を最重視
- 拡大スピードを落としたくないときの選択肢に最適
特に3件目・4件目で他行の枠が空くまでの間の選択肢として考えておきましょう
自分のビジネスモデルと相性の良い銀行を選ぶことが重要
例えば…
- 築古物件の再生の場合は地方銀行が得意
- RC中心の場合はノンバンクや一部の地方銀行が得意
- 中古アパートの場合は信用金庫や地方銀行が得意
「物件タイプ × 銀行の得意分野」を理解することで、融資の通過率は上昇します
攻めの銀行を使う「順番」が重要
拡大期は順番で結果が変わる可能性があります
例えば
- 最初に信用金庫で融資枠を使い切ってしまい、地方銀行で融資が出せなくなる
- ノンバンクを先に使ってしまい、他の銀行の評価が落ちてしまう
- 都銀の審査に通らず、時間と実績だけ失う
ことがあります
基本的には
地方銀行>信用金庫>ノンバンク
この優先順位が最も融資枠を無駄にしない順番と考えておきましょう
第3章:避けるべき銀行の見分け方─「買えない銀行」を選ぶと3年失う
拡大期でもっともやってはいけないのは、
「買えない銀行」に時間を使ってしまうこと
都市銀行:サラリーマンの2件目・3件目はほぼ融資不可
都市銀行(メガバンク)は、
- サラリーマン個人の不動産投資を積極的に見ない
- 担保評価が低すぎる
- 新規取引はほぼ無理
実質的に、1件目でも難しいのが現状です
審査が堅すぎる地方銀行:1件目しか出ないパターン
地銀は「当たり外れ」が激しい金融機関です
担当者や支店の方針によっては、
- 1件目だけは出す
- 2件目からは「返済比率」か「属性」理由でストップ
- 法人化しても枠が広がらない
という場合もあります
担当者が不動産融資に疎い支店はNG
特に担当者によってこのようなケースがあります
- 質問しても回答が曖昧
- 「前例がなくて…」を連発
- 事業性融資の仕組みを理解していない
- 物件評価の説明ができない
担当者の知識レベルは、融資結果を大きく左右します
「面談の5分で分かる」避けたほうがいい銀行のサイン
以下のどれか1つでも出たら、早めに距離を取るべきです
- 「年収が基準に満たない」だけで終了
- 既存借入を見た瞬間に表情が曇る
- 担当者が積極的にヒアリングしてこない
- 「持ち帰りますが…」が多い
- 終始「やる気ゼロ」の空気
銀行は担当者の温度感が融資姿勢に直結します
間違った銀行を選ぶと、融資戦略が完全に崩壊する理由
買えない銀行を選ぶと…
- 時間を数ヶ月失う
- その間に良い物件を取り逃す
- 実績が積み上がらず、他行の評価も上がらない
- 担当者変更まで数年待つ羽目になる
銀行選びを誤ると、時間を平気で失います

時間は貴重ですので、拡大期は「攻める銀行」選びが重要な戦略の一つだと心得る必要があります
第4章:拡大を成功させるための「銀行別アプローチ戦略」
拡大期の融資は、どの銀行に・どの順番で・どうアプローチするか果が大きく変わります
同じ年収・同じ物件・同じ自己資金でも、アプローチ次第で「融資が通る人」と「通らない人」が生まれます
ここでは、拡大を成功させるための「銀行アプローチ」をまとめます
複数銀行対応の基本方針
拡大期の鉄則は、
「1つの銀行に依存せず、複数の銀行の融資枠を戦略的に使う」 ことです
拡大期でもったいないパターンはこれです
- 1件目を出した銀行にずっと相談し続ける
- その銀行のルールに合わず、融資が止まる
- 2~3年の機会損失が発生する
銀行はそれぞれに融資ポリシーがあり、
「物件種別」「築年数」「返済比率」「個人 or 法人」 に対して得手不得手があります
そのため、次のように「銀行の役割」を分けて考えるべきです
- 地方銀行・信用金庫は本命(返済比率を重視)
- ノンバンクはつなぎ・実績作り
- 都市銀行は基本スルー(拡大期と相性が悪い)

拡大期は順番の組み立てが重要になります
担当者との関係づくり:3つの鉄則
拡大期では担当者の意向が融資可否を左右します
特に地方銀行・信用金庫では、担当者が本部に上げるかどうかで9割決まると言われます
関係構築のは3つの鉄則があります
- 正直に話す(盛らない・隠さない)
物件状況・借入状況・キャッシュフローを正しく開示しましょう
盛った情報は後で必ずバレるため、信用を失いかねません - 担当者に「勝てる資料」を渡す
担当者は本部に稟議(提案書)を作る側です
その担当者が戦いやすい資料を渡すほど通りやすくなるでしょう
・物件収支シート
・返済比率の試算
・過去物件の運営実績
・自身の今後の拡大計画
などがあげられます - 質問されたことに即答できるように準備する
特に信用金庫では対面面談が重要になってきます
面談に強い人は、数字を自分の言葉で説明できるでしょう
申込書の出し方で融資可否が変わる
「申込む銀行の順番」だけではなく、
「申込みタイミング」も結果を左右します
- 他の銀行の審査状況を聞かれたときの答え方
- 先にどの銀行へ資料を出すか
- 本命銀行には「落とし所の資料」を先に渡す
- 事前相談をするか、正式申込みをするか
こういった迂闊な選択により、通るはずの融資が落ちることもあるので注意が必要です
融資枠の消費を最小限にしながら拡大していく方法(ステップ方式)
融資枠は銀行側の「持ち点」のようなものです
これを無駄遣いすると、後半でフルローンが出にくくなります
再現性のある拡大方法の一つとして 「ステップ方式」があります
- ステップ1 地方銀行 または 信用金庫で「返済比率の良い物件」を買う
まずは返済比率や収益性が良い1棟を買い、「良い返済実績」積みます - ステップ2 ノンバンクで短期的に件数を増やす
返済比率の悪い物件でも融資が付くため、
「実績作り」 を目的として1件追加する - ステップ3 信用金庫の枠の復活・法人化で再び地方銀行に戻る
信用金庫では返済実績次第で融資枠が復活することがある
法人化も合わせると、融資枠が一気に広がる - ステップ4 担当者からの信頼が高まり、レバレッジが最大化
「あなたには頑張ってほしい」という担当者の後押しで
融資枠が広がるケースも可能性があります
第5章:2件目〜5件目までの「融資ロードマップ」の例
再現性が見込まれる「典型パターン」の例について説明します
2件目:返済比率を最優先、地銀 or 信金で勝負
2件目で最も重要なのは
「返済比率が適正(25〜35%目安)」 であることです
収益性の高い1棟を持つことで、
3件目・4件目の道が大きく広がります
3件目:実績の積み上げでノンバンクを併用
返済比率が苦しい場合、
ノンバンクを使って「件数」を積むのは王道です
ノンバンクは金利は高いが、事業性重視で通りやすいのが特徴です
「ここで1件積むかどうか」で、将来の法人融資の突破力が大きく変わります
4件目:信用金庫の枠開放と法人化が効き始めるポイント
信用金庫は返済実績を重視するため、
2年〜3年運営すれば融資枠が復活しやすい傾向があります
さらに法人化を組み合わせると、
個人融資枠と法人融資枠の二刀流が可能になります
5件目:担当者の「あなたへの信頼」で融資額が変わる
このフェーズでは
「数字」より「信用」の影響が強くなる ことがあります
担当者が本部にこう言ってくれると通りやすい:
- 「この人は返済が確実」
- 「管理状況が非常に良い」
- 「今後も一緒に取り組みたい」
同じ数字でも担当者の後押しで通るケースがあるようです
第6章:失敗する中級者の「融資戦略の落とし穴」
2件目〜3件目の拡大で失敗する人には原因があります
逆に言えば、これらを避ければ失敗は回避することができるでしょう
1件目に融資した銀行に固執する
1件目に融資した銀行が2件目も融資するとは限りません
銀行には「得意分野」があり、
戦略に合わない銀行にこだわると時間を浪費します
担当者に丸投げする
担当者はあなたの戦略を代わりに作ってくれません
「いい物件があれば連絡しますね」
と言われたら期待できないと考えた方がよいです
年収・属性だけで銀行を選ぶ
サラリーマン属性は強いですが、それだけでは拡大できません
重要なのは
「属性 × 物件 × 実績 × 銀行戦略」 の掛け合わせです
審査落ちで終わりだと思ってしまう
審査落ちは「自分がダメ」という意味ではなく、
「戦略が合っていない」という意味です
他の銀行に行けば審査が通るケースは十分にあります
まとめ
拡大期の融資は、「属性 × 物件 × 返済実績 × 銀行戦略」 の掛け合わせで決まります
銀行の選び方、複数の銀行の使い方、担当者との関係作り、ステップ方式の融資戦略
このような組み合わせを理解して活用することで計画的に拡大する道が開けるでしょう

金融機関の性質に応じた戦略が大事な時期です、計画的に取りくんでいきましょう

