はじめに:なぜ「10年後も続けている人」が一握りなのか?
不動産投資は「買った瞬間がスタート」だと思いがちですが、本質はまったく逆です
本当に難しいのは、買ってから「10年以上続けること」です
実際、初心者が1件目を買う段階よりも、2〜5年目の中級者ゾーンで撤退する人のほうが圧倒的に多いと言われています
理由は、
- 思ったよりキャッシュフローが残らない
- 修繕・空室の波に耐えられない
- 融資が止まり、出口も取れなくなる
- 判断基準が曖昧で、迷いが積み重なる
といった「累積ダメージ」によって離脱していくと言われています
一方で、10年以上安定して投資を続けている人には共通点があります
勘や感情ではなく、「判断基準」をルール化していることです

本記事では、10年後も残っている投資家が使っている「撤退しないための意思決定基準」について解説します
第1章:長期投資家が必ず持っている「やめる基準」と「続ける基準」
10年生き残っている投資家は、
「続ける判断項目」と「やめる判断項目」を決めています
判断の基準を設けていると迷わないし、メンタルもブレません
続ける判断項目
- 毎月のキャッシュフローがプラスで推移している
- 返済比率(返済負担率)が適正な範囲にある
- 手元資金に余力がある(最低6〜12ヶ月のキャッシュフロー相当)
この3つが安定している限り、たとえ空室や修繕が一時的に発生しても継続する判断ができます
やめる判断項目
- 年間キャッシュフローが継続的に赤字化している
- 修繕リスクが高まり、収支の予測不可能性が増している
- 利回り・家賃下落で改善が見込めない
撤退は負けではありません
資産を守り、次の投資攻めるための「戦略的行動」です

長期続けられる投資家は、継続の判断を状況で悩むのではなく、ルールで判断しているため、ブレずに続けられます
第2章:10年残る人が絶対に見ている3つの数字
10年後に残る投資家が共通して見ている視点は3つです
少なくとも、この3つの視点を確認していない投資家は失敗するリスクが高くなります
キャッシュフロー耐性
「空室になっても、家賃が下がっても、何年耐えられるか?」
これを 「耐性年数」 として計測します
たとえば
- 手元資金300万円
- 年間キャッシュフロー40万円
の場合は
300 ÷ 40 = 7.5
7.5年分の耐性があると計算できます

耐性年数が2年以下だと撤退リスクが急上昇します
修繕積立(5年後・10年後の予測)
10年以上、継続できる投資家は、修繕による支出を「予測不能なイベント」として扱いません
具体的には
- 屋根・外壁:15〜20年周期
- 給排水:築30〜40年
- 室内設備:5〜10年
などがあげられます

年次表に落として、積立を先に用意しておけば、設備故障が発生してもメンタルが安定して対処出来ます
銀行評価(融資余力が増えているか?減っているか?)
10年後も投資を続けるには、金融機関の融資枠も命綱です
- 銀行評価が上がる物件
- 銀行評価を毀損しない買い方
を繰り返している人は、融資枠を回復しながら長期で新たにお金を借りながら物件を買い続けられます

キャッシュフローだけ見て「銀行評価が低い物件」を買い続ける人は、
数年で融資が止まり、物件の拡大はそこでストップになるでしょう
第3章:撤退せずに済む人の「資産ポートフォリオ」の作り方
10年残る投資家は、どのような物件構成が強いのか?
基本的には
「入居率の高い安定物件」×「キャッシュフローが出る積み上げ物件」
これを組み合わせています
都心ワンルームマンション「だけ」は危険
都心区分マンションのみへの投資が危険と判断される主な理由として
- キャッシュフローがほぼ出ない
- 金利上昇で収支が行き詰まることがある
- 資産価値は強いが、拡大スピードは遅い
があり、安定はするが増えにくいといった事が考えられます
地方アパート「だけ」はもっと危険
地方アパートのみへの投資が危険と判断される主な理由として
- 空室・修繕の波が大きい
- エリア選びを間違えると対応が難しい
- 銀行評価が伸びにくい
投資拡大しやすい可能性を秘めているが、
一歩間違えると行き詰まるリスクをもつ、といった事が考えられます
王道なのは「都心ワンルームマンション と 地方アパート」のハイブリッド
都心区分マンションと地方アパートでポートフォリオを組むと
- 都心ワンルームマンションにより銀行評価と安定収益
- 地方アパートによりキャッシュフローと融資加速
それぞれの強みを生かすことで
大きな波が来ても「折れにくい」資産構造になります
賃料下落・修繕の波から身を守る構造とは?
長期で続けられる投資家は、
- キャッシュフロー重視物件
- 安定需要物件
の2本柱をつくり、どちらかが落ちても全体が沈まない構造を作っています
「撤退しないポートフォリオ」は、リスクの分散ではなく、資産構造の設計で決まる
といえるでしょう
第4章:サラリーマンが撤退しなくなる「融資戦略」
不動産投資で10年後も残る人に共通しているのは、
「買い方」ではなく融資枠の使い方がうまいという点です
多くのサラリーマン大家が撤退する原因はシンプルです
融資が止まり撤退に向かう最も典型的なパターン
物件が悪いわけでもなく、属性が下がったわけでもない
それでも拡大できなくなる最大の理由は「銀行評価が下がって融資が出なくなる」が考えられます
キャッシュフローは回っている
入居率も悪くないでも融資が止まった瞬間、投資家としての未来は閉じていきます

融資が止まり、追加物件が買えず、これ以上拡大できなくなる
というパターンは、10年残れない人の典型例です
地方銀行・信用金庫と関係を育てると長期的に買い続けられる
10年残る投資家は
地方銀行・信用金庫との「関係資産」を育てています
地方銀行や信用金庫は、大手都市銀行と違い、
- 人間関係
- 取引履歴
- 今後の計画
- 資産形成意図
を非常に重視します
担当者が替わっても引き継がれるような
「着実な実績」や「誠実な対応」は必ず評価されます
融資は信用の積み上げゲームです
金融機関にも一定の利益をもたらすパートナーになる必要があります

購入実績より、「どう返しているか」の方を見られることを理解する必要があります
融資枠をどこに使うかで10年後の姿が決まる
不動産投資では、物件を買うことは「融資枠を消費する」ことになります
10年以上続けられる投資家は融資枠の使い方が巧みといえます
- キャッシュフローが弱い物件に融資枠を使わない
- 高利回りだけで判断しない
- 評価が伸びる資産で融資枠を回復する
- 地方アパートと都心ワンルームマンションを組み合わせる
一見保守的に見えても、この「融資枠の使い方の巧さ」が長期生存の鍵になります
「買う」より「融資枠を守る」判断のほうが重要
短期的に儲かる物件よりも、
「融資枠を傷つけない物件」を選ぶこと
これが10年残る投資家の共通点です
一件の失敗が、「5年拡大できない」という未来を簡単に招いてしまいます
融資枠を守れる人だけが、
5件以上の物件への投資拡大や、10年以降続けられる投資家へと成長できるでしょう
第5章:10年間投資が続けられている人がとる「管理戦略」
物件管理でつまずくと、どんな優良物件も赤字に変わります
10年続けられる人は管理を仕組みにしています
退去 → 原状回復 → 再募集の鉄板フローを仕組み化
不動産の基本の流れですが
基本の流れを自動で回るようにしている投資家は強いです
- 退去連絡
- 原状回復の見積り
- 工事
- 募集開始
- 内見
- 入居決定
このスピードが遅れると空室期間が伸び、キャッシュフローの悪化につながります
10年残る人は、「1日でも早く」動く仕組みを作っています
管理会社の選定基準が明確
長期投資家は、管理会社を感覚で選びません
- 募集力(SUUMO・ホームズの反響スピード)
- 原状回復の工事金額
- 入居付けの強さ
- 管理手数料とサービス体制
- 成約率
この「選定基準」を持たない投資家は、
管理でつまずきやすく、撤退の確率が上がります
修繕計画を「年次ベース」で管理している
10年残る人は、修繕を「想定外」にしません
- 給湯器(10〜15年)
- 換気扇(8〜12年)
- 外壁(15〜20年)
- 屋根(20年〜)
これを年次単位で予測し、積立しています
修繕は突然ではなく、「予測できる未来」です
トラブル対応はプロに任せ、感情で判断しない
入居者トラブルは、
感情的になるとすべて悪い方向に進みます
- 苦情
- 滞納
- 騒音
- 契約トラブル
これらを自分で抱え込まない
10年残る人は「任せる力」が強いのです
第6章:続けるべきか?撤退すべきか?判断基準チェックリスト
中級者が生き残れなくなる最大の原因は、
「迷ったまま続ける」ことです
判断基準を曖昧にすると、迷ってしまいます
基準を明確にするだけで、冷静に撤退の判断ができるでしょう
手元資金はいくら残っているか?
最低でも確保しておくべき資金の目安は
- 生活防衛資金 6ヶ月分
- 修繕積立
- 空室耐久資金 3〜6ヶ月分
です

これが揃わない状態で継続すると、いざという時に意図しないタイミングで撤退を余儀なくされます
キャッシュフローが何年間持つか?
今のキャッシュフローが、
- 1年持つのか
- 3年持つのか
- 5年持つのか
これをシミュレーションしているかどうかが分岐点です
銀行評価は改善しているか?
銀行評価の状況を判断する目安として
- 評価が悪化している
- 借入過多で枠が詰まっている
- 都心ワンルームマンションを増やしすぎた
このような状況の場合は融資の拡大がのぞめません
逆に評価が改善している状況であれば続行を判断することができるでしょう
修繕リスクは予測済みか?
突発的な修繕で撤退するケースがあります
事前に予測し、
年間の修繕を「数字化」しているか?
具体的な予測が生存率を左右します
この物件は「守りの要」か「手放すべき物件」か?
長期投資家は「物件の整理」が上手いです
- 手放すか
- 持ち続けるか
- 乗り換えるか
を、キャッシュフローと評価軸で冷静に判断します
まとめ:10年後も残る人は判断基準を明確にしている
不動産投資で勝つ秘訣は、
天才でも才能でもなく、続けられた人が勝つ世界です
「判断基準を明確にして、淡々と続けた人」だけが生き残る

同じ道を選ぶために、今日から基準を作り、10年後も続けられる投資家への成長を目指していきましょう

