はじめに:なぜ中級者ほどリスク管理が重要か?
不動産投資は「1件買った時より、2件目・3件目に進んだ瞬間からリスクが増える」という特徴があります
拡大に伴ってリスクがねずみ算式に増えていくからです
具体例をみると
- 複数の修繕が同時期に重なる
- 空室率が平均化されず一気に資金繰りへ影響する
- 融資枠の減少が雪だるま式に拡大を止める
などがあげられます
特にサラリーマンは、時間と資金に制約があるため、ポートフォリオの組み方がそのまま生き残り率 を決めます

本記事では、中級者がつまずくであろう「ポートフォリオ設計」の本質を、失敗例と最適解を交えて解説します
第1章:リスクを下げるポートフォリオの戦略思考
物件の「組み合わせ」で何が変わるかについて整理しておきましょう
リスクは物件単体より組み合わせで決まる
初心者は「良い物件か悪い物件か」の物件単独で判断しがちですが、
中級者に必要なのは 組み合わせ全体でリスクを下げる視点です
物件の性質に応じて強みがありますので、例えば
- A物件は高利回り(攻め)
- B物件は資産性が高い(守り)
といった特徴を持つ物件を2つを持つことで、お互いに抱える弱点を補完できます
サラリーマン投資の「最強の盾」:1件目の属性評価を最大化する
最初の1件目は、単なる物件購入ではありません
銀行からのあなたの投資スタイルの初期評価になります
- 過度な地方の築年数が古い物件
- 高属性なのに評価がつきにくい物件
- キャッシュフローだけを追いすぎた物件
これらは「次の融資枠」を少なくするため、ポートフォリオ全体からみて
1件目は属性を活かしながら、資産性 7:キャッシュフロー3のバランス を意識するのが王道です
キャッシュフロー型 × 評価型の二軸で考える最適バランス
中級者の投資は次の2つの軸で決まります
- キャッシュフロー型(地方アパート・小規模1棟)
投資を拡大するための燃料 - 評価型(都心ワンルームマンション・築年数が浅い優良なエリア)
融資枠の信頼回復
この二軸を並行で育てることで、リ下げられます下げられます
第2章:避けるべき「失敗ポートフォリオ」
中級者が陥りがちなパターンについても見ていきましょう
高利回り物件の連続取得で破綻するパターン
中級者でやりがちなのが
- 利回りが高い物件が良い物件
- キャッシュフローが増えれば問題なし
という誤解です
単に高利回りだけの物件は銀行評価が伸びず
融資枠が減り → 拡大が止まり → 修繕で赤字 → 運用が行き詰まる
のルートに入りやすくなります
都心ワンルームマンション「だけ」で拡大して資金ショートする罠
都心区分マンションは運営は安定しますが、キャッシュフローは少なくなりがちです
複数物件を持った場合に、以下が重なって地味に苦しくなるケースがあります
- 管理費・修繕積立金の上昇
- 退去時の原状回復のコスト負担
- 金利上昇による返済負担上昇
気づくと 手元資金が少なくなり、買い増しが難しくなります
属性頼みの拡大で陥る「見せかけの安定」
年収900万以上のサラリーマンが陥る可能性がある罠の一つです
属性(年収・職業)で融資が通るため、
- 物件評価
- 修繕リスク
- ポートフォリオの偏り
を見ないまま買い進めてしまい、
後から 「修繕の壁」「空室の壁」「融資枠の枯渇」 の三重苦が襲います
属性は強い武器ですが、万能ではないということを理解する必要があります
第3章:リスク激減を実現する
物件タイプとエリアの組み合わせについて整理していきましょう
物件の組み合わせの基本
基本の組み合わせとしては
地方のアパート(攻め) × 都心ワンルームマンション(守り)
この組み合わせの強みは明確です
- 地方アパートはキャッシュフローが増え、現金が貯まる
- 都心ワンルームマンションは資産性で銀行評価が安定する

両者の弱点が完全に補完し合うため、最も安定しやすい組み合わせのパターンです
規模別:新築・中古 × 小規模一棟の最適な組み合わせ
- 1000万〜3000万円帯
・優良中古ワンルームマンション × 小規模アパート:
比較的少額で始めやすい組み合わせです
中古区分マンションで賃料収入の安定を図りつつ、小規模アパートで高利回りや
レバレッジ効果を追求します - 3000万〜6000万円帯
小規模1棟 × 資産性の高い中古ワンルームマンション:
一棟物件で規模のメリット(高いキャッシュフロー)を取りつつ、
都心の駅近など資産性の高い中古ワンルームマンションを保有することで、
出口戦略の柔軟性や流動性を高めます - 6000万円〜1億円帯
地方築浅一棟 × 都心ワンルームマンション or 新築ワンルームマンション
地方の築浅一棟で安定収入と節税を狙う「攻め」と、
都心や新築の区分マンションで将来的な売却益やリスク分散を担う「守り」
を両立させる戦略です
規模が上がるほど「攻めと守りの比率」が重要になります
年収帯・年齢別の最適構成
サラリーマン投資家にとって、最も融資を引きやすいとされる「属性のピーク(30〜40代前半)」を
どう活用するかが、成功への鍵を握ります
- 年収700〜900万(30代)
この層は、まだ属性が上昇途上にあるため、手堅いスタートを切ることが重要です
攻め:地方アパート
高利回りを追求し、最初の資産規模拡大を狙います
融資が出やすい地方の木造アパートなどが中心です
守り:中古区分マンション
都心近郊の中古ワンルームマンションを保有することで
安定したインカムゲインと流動性(売却しやすさ)を確保します - 年収900〜1200万(40代)
属性がピークに近づき、より大きな規模の融資を受けやすくなります
この力を最大限に活かした「攻めと守りの両立」を目指します
守り:都心区分マンション
都心駅近の区分マンションなど、資産価値が下がりにくい物件で
ポートフォリオの土台を固めます
これは「守りの流動資産」となります
攻め:築浅1棟
信用力が高い間に、地方や郊外の築浅一棟物件(マンション・アパート)へ投資し
規模の経済と節税効果を追求します

サラリーマンは「属性のピーク(30〜40代前半)」をどう使うかで5年後の資産形成が劇的に変わるでしょう
第4章:銀行融資を最大化する「ポートフォリオの成長戦略」
不動産投資における ポートフォリオ戦略とは融資戦略のことです
銀行が評価しやすい資産を組み込み、評価されにくい資産を適切に配置することで
融資枠を減らさず伸ばし続けるという目的が達成できます
銀行の「好き/嫌い」:銀行が評価する質の高い資産とは?
金融機関は「高利回りだから良い」とは考えていません
むしろ、銀行は以下のような資産に対して良い評価をしています
- 資産価値の下落が緩やか(都心・駅近・流動性が高い)
- 入居率が安定し、築年数に左右されづらい
- 売却しやすく、担保価値が長期で維持される
つまり、投資家が考える「キャッシュフローの良さ」とは逆で、
銀行にとっては 評価型(資産性)物件が優良資産 となります
反対に銀行がの評価が低い物件の傾向は
- 地方・郊外すぎる立地
- 高利回りだが流動性が低い
- 修繕リスクが高く、担保価値が読みにくい
このような物件を大量に所有してしまうと
「儲かっているのに融資が伸びない」という典型的な中級者の壁に直面します
融資枠を回復させる「資産の入れ替え」戦略とは?
融資枠は、物件の「担保価値 × キャッシュフロー × 安定性」で決まります
もし地方アパートが増えすぎて融資枠が詰まった場合、次の行動が有効です
融資枠を回復させる3つの方法
- 都心ワンルームマンションを1戸購入して、担保価値を安定させる
都心区分マンション1戸でポートフォリオ全体の質が底上げされます - 資産性の低い1棟アパートを売却し、評価の高い中古ワンルームマンションに置き換える
資金の残りは少なくても、融資枠は大きく改善します - 法人化して、法人枠を新たに作る
評価の悪い物件が多い場合に効果が高くなります

「キャッシュフローだけ良くても融資は伸びない」という事実を踏まえ、意図的に資産性物件を組み込む必要があります
金融機関別に変わる評価ポイントを逆手に取る
各金融機関には好みがあります
好みに合わせた戦略に変えることで、ポートフォリオの価値は最大化できます
- 信用金庫:属性×地元物件の安定性を最重視
信用金庫は、営業エリア内の物件を特に評価します
高利回り物件には慎重な傾向があります
都心区分マンションや築浅アパートとの相性が良いでしょう - 地方銀行:収益性と担保価値のバランス型
収支計画をしっかり見られるのが特徴です
「資産性+一定の収益性」がある物件に強い姿勢を示します
地方アパートと都心区分マンションの併用戦略が良いでしょう - 都市銀行:資産性と属性の強さが最優先
物件よりも「あなたの属性」を最優先で評価します
本業が強いサラリーマンに有利です
資産性の高い区分マンションや築浅一棟が鍵となるでしょう

銀行の評価基準に合わせた物件を組み込むことで、融資枠を維持したまま買い続けられるポートフォリオ が完成するでしょう
第5章:リスクを抑えたポートフォリオ例と意思決定のプロセス
ここでは、中級者が安全に拡大が望める
攻めと守りを両立したパターンを紹介します
パターン①:地方アパートから都心ワンルームマンション
構成: 高キャッシュフロー物件(攻め)で土台を作り
資産性の高い物件(守り)で銀行評価を高める
- 1件目の効果:地方アパート(高キャッシュフロー)
- 効果: 返済比率改善、手元資金増加、経験値アップ
- 2件目以降の効果:都心区分マンション(資産性)
- 効果: 銀行評価の改善、担保価値の安定。次の融資に繋げやすい
結果: 3件目・4件目へスムーズに進められ、着実な規模拡大を目指せます
パターン②:築浅アパートと優良中古ワンルームマンション
構成: 安定したキャッシュフローと低リスクの物件(攻め)と
流動性の高い物件(守り)の組み合わせ
- 1件目の効果:築浅アパート(地方 or 郊外)
- 効果: 大きなキャッシュフロー、修繕リスクが少ない、管理が容易
- 2件目以降の効果:中古区分マンション(都心)
- 効果: 流動性が高い、融資評価アップ
結果: 銀行から「安定した投資家」と見なされやすく、追加融資が通りやすい組み合わせです
パターン③:年収700〜900万帯で1棟とワンルームマンション2戸
構成: キャッシュフローを重視した一棟物件(攻め)と
評価を重視した複数区分物件(守り)を同時に持つ
- 1件目の効果:小規模一棟アパート(攻め)
- 効果: キャッシュフローを確保しやすい
- 2件目以降の効果:都心区分2戸(守り)
- 効果: 修繕リスクを分散、銀行評価が落ちにくい
結果: 融資枠を圧迫せずに規模を拡大していける効果的な構成の一つです
第6章:リスク激減のために絶対に外せない「守りの管理・運営戦略」
物件を買って終わりではなく、
守り続けることでポートフォリオの価値は雪だるま式に増える
という事実を忘れてはいけません
キャッシュフロー死守:「修繕積立」の理想的な比率
理想的な積立比率の目安は
- 区分:家賃収入の5〜8%
- アパート:家賃収入の10〜15%
くらいが適切で、積立が甘いと、突然の修繕から資金ショート」
という典型ルートに突入するリスクが有ります
管理会社は2社まで:分散しすぎると逆にリスク
管理会社を増やすほど「何がどこで起きているか」把握できなくなり、
管理リスクが急増します
2社までに絞る主な理由は
- 対応品質のバラつきが小さくなる
- 月次報告の管理が容易
- コミュニケーションコストが軽減
などがあげられます
物件価値を落とさない戦略的メンテナンス
物件価値を落とさないためにはメンテナンスが欠かせません
具体的には
- 外壁点検は3〜5年
- 大規模修繕は15〜20年
- 水回り・設備交換の時期を事前把握
これらを目安に見える化することで、想定外の出費をゼロに近づけられます
出口戦略を見据えた「キャッシュフロー死守ライン」
ポートフォリオは、どこまでキャッシュフローが落ちたら売却判断するか?
を事前に決めておくとよいでしょう
具体例としては
- キャッシュフローが月2万円以下に落ちたら売却検討
- 修繕見積りが年間キャッシュフローの1.5倍を超えたら入れ替え
判断基準を決めておくことで、
「感情で売る」「怖くて売れない」という失敗を回避できます
まとめ
不動産投資の成果を左右するのは、物件単体の良し悪しではなく、全体の組み合わせです
高利回り物件ばかりに偏れば融資余力が枯渇し、資産性重視に偏ればキャッシュフローが不足します
地方アパートで攻め、都心ワンルームマンションで守る
といったバランスが10年後の資産規模を決めます

バランスの良いポートフォリオを組むことで、リスクを抑えながら成長を続ける投資家を目指していきましょう

