修繕積立金はなぜ増える?サラリーマン不動産投資で考える資産計画の立て方

リスク・管理・運営

はじめに

不動産投資、とくに新築区分マンション投資においては、家賃収入やローン返済だけでなく「修繕積立金」という長期的な維持費用を避けて通ることはできません

サラリーマン投資家の場合、給与とのバランスを考えながら資産形成を進める必要があるため、修繕積立金の増額リスクを正しく理解しておくことが重要です

本記事では、修繕積立金の仕組み、なぜ増額が必要になるのか、国の指針に基づく適正額、そして投資家としてどのように資産計画を立てるべきかを解説いたします

修繕積立金とは?

修繕積立金とは、マンションの共用部分(外壁、屋上防水、エレベーター、給排水管など)の修繕や更新のために、区分所有者全員で積み立てる費用です

毎月の管理費とあわせて支払うことが一般的です

国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によると、長期修繕計画に基づき適切に積み立てていない場合、大規模修繕時に不足が生じ、急な一時金徴収や資産価値の低下につながる恐れがあるとされています

国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」

PDF
国交省が公開している住宅関連のPDF資料です。

修繕積立金が増額される理由

購入時に提示される修繕積立金は、往々にして低めに設定されているケースが多く見受けられます。主な理由は以下の通りです

  1. 販売促進のための低額設定
    新築販売時には購入希望者の心理的負担の軽減や銀行の借り入れ審査を通りやすくするため、初期設定を低めにしている場合があります
  2. 築年数の経過に伴う修繕コスト増
    外壁や給排水管、エレベーター設備などは年数が経つほど修繕頻度が増し、高額な修繕工事が必要になります
  3. 物価・人件費の上昇
    建設資材の価格や人件費の上昇により、修繕工事全体のコストも増加傾向にあります

実際、国土交通省の調査では、築後20〜30年で修繕積立金が2倍から3倍程度に増額されるケースが少なくありません

国土交通省「マンション総合調査」

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適正な修繕積立金の目安

では、どれくらいの修繕積立金が「適正」とされるのでしょうか?

国土交通省のガイドラインによれば、以下の目安が示されています。

  • 30㎡〜50㎡台の住戸:月額 5,000円〜10,000円程度
  • 60㎡〜80㎡台の住戸:月額 10,000円〜20,000円程度

新築マンションでは、これより低い金額で設定されているケースがあり、将来的に増額改定される可能性が高いといえそうです

投資家が意識すべきポイント

キャッシュフローシミュレーションに織り込む

購入時に提示される修繕積立金だけを基準にすると、将来のキャッシュフローが大きく狂う可能性があります。20〜30年後には2倍以上になる前提でシミュレーションを組むことが重要です

繰上返済とのバランス

繰上返済に資金を回すよりも、修繕積立金増額に備えてキャッシュを確保しておく方が合理的な場合もあります

管理組合の運営状況を確認

管理組合が長期修繕計画を作成しているか、不足分を一時金で徴収する傾向があるかは、将来的なリスクを左右します。総会の議事録や長期修繕計画の開示を求めるようにしましょう

修繕積立金増額リスクを軽減する方法

  1. 複数物件への分散投資
    修繕積立金の増額が一物件に集中するとキャッシュフローが圧迫されるため、物件を分散することでリスクをならす効果が期待できます
  2. 修繕履歴のある中古物件の購入
    すでに複数回の大規模修繕を終えている物件を購入すれば、当面の増額リスクを軽減できます
  3. 自己資金のプール
    家賃収入の一部を毎月積み立て、将来の増額に備えた「自己修繕積立」を行うのも賢明な戦略です

まとめ

サラリーマン不動産投資において、修繕積立金は「見落とされがちなランニングコスト」ですが、物件の資産価値やキャッシュフローに大きく影響する重要な要素です

  • 修繕積立金は築年数の経過とともに増額されるのが一般的
  • 国のガイドラインを参考に、適正額を把握して資金計画に反映する
  • 長期的な資産計画の中で繰上返済やキャッシュ確保とバランスを取る

これらを踏まえて計画を立てることで、不測の支出に慌てずに、安定した不動産投資を継続できるようになると考えられます

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