はじめに
サラリーマンとして給与所得を得ながら、不動産投資を副業として行うことを考えている人が居ると思います
区分マンションや戸建て賃貸など、規模の大小に関わらず家賃収入が発生すれば確定申告が必要になってきます
確定申告には「白色申告」と「青色申告」があり、収益が多い投資家が選ぶのは青色申告です、理由は、節税効果や損失の繰越といった大きなメリットがあるからです
しかし、帳簿の記帳や事前の申請など、一定の手間や条件があるため正しい理解が必要になってきます

本記事では、サラリーマン不動産投資家向けに 青色申告の基礎知識・白色申告との違い・利用できる条件 をわかりやすく整理して解説します
青色申告とは?
制度の概要
青色申告とは、国税庁が認める「正しい帳簿付けを条件に節税メリットを受けられる申告制度」です
通常の確定申告よりも厳密な帳簿管理が求められますが、その代わりに 青色申告特別控除や赤字の繰越控除 などの優遇を受けることができます
白色申告との違い
- 白色申告
- 帳簿付けの要件が緩く、手軽にできる
- 控除や優遇措置が少ない
- 青色申告
- 複式簿記など正確な帳簿管理が必要
- 最大65万円の青色申告特別控除、赤字の繰越、家族への専従者給与などメリットが多い

つまり、「手間をかけてでも節税効果を狙いたい投資家」には青色申告の方が圧倒的に有利な制度です
不動産投資家が青色申告を選ぶ理由
- 節税によってキャッシュフローが改善する
- 投資を拡大すると帳簿管理の必要性が増える
- 融資審査で「きちんと経理管理している」という信頼性につながる
特に長期的に物件を増やしていきたいサラリーマン投資家にとって、青色申告は「節税+信頼性アップ」の両面で大きなメリットがあります
青色申告ができる人・条件
対象者
青色申告は、不動産所得または事業所得を持つ人が対象です
サラリーマンでも給与以外に家賃収入があれば、不動産所得として青色申告を選択することが可能です
- 区分マンション1室からでも対象になる
- 戸建てやアパート一棟など規模が大きいほどメリットが出やすい
青色申告をするための条件
- 事前の申請が必要
- 「青色申告承認申請書」を、その年の 3月15日まで に税務署へ提出することが必要です
- 新規に不動産投資を始めた場合は、開業から2か月以内が期限です
- 帳簿付けの義務
- 原則、複式簿記での記帳が必要です
- e-Taxで電子申告を行うと65万円控除が可能で、紙申告の場合や簡易簿記では10万円控除にとどまります
サラリーマン投資家の具体例
- 区分マンション1室を副業で運用するケース:小規模でも青色申告は可能です、帳簿作成が必要になるため、会計ソフトの活用が現実的と考えられます
- 複数戸・一棟アパートを所有するケース:修繕費や減価償却費の計上で赤字になることも多く、青色申告による赤字の繰越がメリットになると考えられます
このように、サラリーマンであっても「家賃収入が発生している人」は青色申告が検討の対象になります
青色申告の主なメリット
最大65万円の青色申告特別控除
青色申告を選択すると、青色申告特別控除を受けられます
- 65万円控除:e-Taxで電子申告+複式簿記の記帳
- 10万円控除:簡易簿記で申告した場合
たとえば、課税所得が500万円のサラリーマン投資家であれば、65万円控除を使うと所得税・住民税を合わせて約13万円程度の節税効果が期待できます
赤字の繰越控除・繰戻し還付
不動産投資では、減価償却費や修繕費を計上すると「帳簿上の赤字」になることがあります
青色申告を選択していれば、赤字を最長3年間繰越可能で、将来黒字になったときに相殺できます
また、前年に黒字で今年赤字の場合、繰戻し還付により前年に払った税金の一部を還付してもらうことも可能です
家族に支払う給与を経費にできる(専従者給与)
青色申告を行うことで、家族に支払う給与を「専従者給与」として経費にできます
- 配偶者や子どもに管理業務を手伝ってもらい、その対価を給与として支払う
- その給与を必要経費にでき、課税所得を減らせる
ただし、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があり、労務の実態が伴わない名目だけの給与は認められない点は注意が必要です
節税効果のシミュレーション例
仮仮に、年収600万円のサラリーマンが区分マンション1室を保有しているとします。複数年の損益推移は以下のような前提とします
- 1年目:不動産所得 50万円の赤字
- 2年目:不動産所得 30万円の黒字
- 3年目:不動産所得 40万円の黒字
白色申告の場合
- 1年目:赤字の 5050 万円は給与所得と損益通算でき、課税所は 600−50=550600−50=550 万円となります。この年は約10万円前後の節税効果があります
- 2年目以降:赤字の繰越はできないため、黒字はそのまま課税対象になります
白色申告でも、赤字年には損益通算は可能ですが、将来への繰越ができません
青色申告の場合
- 1年目:赤字50万円は給与所得と損益通算でき、課税所得は550万円に、さらに、この50万円の赤字は丸ごと翌年に繰り越せます
- 2年目:黒字30万円から、繰越損失50万円を差し引き、課税所得は黒字部分ゼロ(未控除分20万円は翌年繰越)
- 3年目:黒字40万円から、前年度残りの20万円を控除し、課税対象は20万円に圧縮
青色申告は最長3年間の損失繰越控除が使えるため、赤字の年だけでなく、その後の黒字年にも税負担を軽減できます。これにより、長期的な資金繰りが安定しやすくなります
青色申告の申請手続きと必要書類
申請の流れ
青色申告を始めるためには、事前に税務署へ書類を提出する必要があります
- 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
- 不動産投資を始めたら提出します
- 青色申告承認申請書
- 開業から2か月以内、またはその年の3月15日までに提出します
帳簿管理
- 複式簿記が必要で、仕訳帳・総勘定元帳などの作成が必要です
- 会計ソフト(freee、弥生会計、マネーフォワードなど)を使うのが一般的です
- レシートや領収書は原則7年間保管が必要です
サラリーマン不動産投資と青色申告の相性
青色申告は、節税効果だけでなく「収支管理の透明性」を高める点でもメリットがあります
- 本業の給与所得と合算することで税金をコントロールしやすい
- 銀行融資において「正確な収支を管理している投資家」と評価される
- 長期的に物件を拡大する戦略を立てやすい
特に将来的に規模を拡大していきたいサラリーマン投資家にとって、青色申告はほぼ必須の制度といえるでしょう
まとめ
- 青色申告とは:帳簿付けを条件に、節税メリットを受けられる制度
- 対象者:サラリーマンでも家賃収入があれば可能(区分マンション1室からOK)
- 主なメリット:65万円控除・赤字の繰越・家族への専従者給与など
- 手続き:開業届と青色申告承認申請書を期限内に提出することが必要
青色申告は手間がかかる一方で、サラリーマン不動産投資の節税・資金繰り・融資戦略に直結します

「将来の資産形成を安定させたい」「物件を増やしていきたい」と考えるなら、早めに青色申告を取り入れる事が選択肢になるでしょう

