はじめに|なぜ相場を調べる必要があるのか
サラリーマンが不動産投資を始めるとき、最初に直面するのは「価格が適正なのか?」という不安です
不動産会社の営業マンに提示されるのは「売出価格」ですが、これは必ずしも実際に取引される価格(成約価格)とは一致しません
たとえば、3,000万円で販売されているマンションでも、実際には2,700万円で成約しているケースもあります
この差を知らずに購入すれば、いきなり数百万円単位の損失を背負うことになります

そこで役立つのが国土交通省が公開している「不動産情報ライブラリ」です。
初心者でも無料で利用でき、過去の取引事例から「本当に取引された価格」が確認できます
不動産情報ライブラリとは?
「不動産取引価格情報検索(不動産情報ライブラリ)」は、全国で実際に取引された不動産価格のデータベースです
- 対象:中古マンション、土地、戸建て
- 情報:所在地、面積、築年、最寄駅、価格、間取りなど
- 更新:四半期ごとに最新データが追加
最大の特徴は「広告価格」ではなく「成約価格(実際に売買が成立した価格)」を公開している点です
つまり、
- 中古マンションの相場を把握
- 投資対象エリアの価格推移を確認
- 近隣物件との比較
といった調査が可能になります
検索の準備|まず押さえるべき条件設定
いきなり検索を始めると、数百件ものデータが表示されてしまいます
初心者はまず「どんな条件で絞るか」を決めておくことが大切です
特に投資用マンションを調べるなら、次の条件を設定すると効率的です:
- エリア:区や市まで絞る(例:新宿区、渋谷区など)
- 築年数:10年以内 or 20年以内
- 面積:20〜30㎡前後(ワンルームや1Kの投資向け)
- 時期:直近2年分程度

条件を整理してから検索すると、余計なデータに惑わされずに済みます
初心者がやりがちな検索の失敗例
不動産情報ライブラリを初めて使う人がよく陥るミスをまとめました
- 条件を広げすぎてデータが多すぎる
→ 東京23区全体を検索すると数千件出てきて、逆に見られなくなる - 条件を絞りすぎて件数ゼロになる
→ 「新宿区」「築5年以内」「20㎡」など細かく絞りすぎると結果が1件 - 成約価格を1件だけ見て判断する
→ 相場は必ず複数件の平均で見る必要がある - 広告価格と混同する
→ SUUMOやHOME’Sに出ているのは「売出価格」、不動産情報ライブラリは「成約価格」。全く別物
こうした失敗を避けるために、検索条件は「広めにスタート→少しずつ絞り込む」が基本です
実際に検索してみよう|ステップごとの解説

ここからは実際に検索する手順を解説します
1.トップ画面で検索方法を選択
不動産情報ライブラリのサイト(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)を開き「データ検索・ダウンロード」をクリック。

2.都道府県・市区町村を選択
東京都 → 新宿区を例にします
3.物件種類を選ぶ
「中古マンション等」を選択
4.時期を設定
「直近2年間」に設定。

5.検索結果の表示
一覧には所在地、面積、価格、築年数、最寄駅などが表示されます
この時点で約4,000件出てきます。
6.検索結果ファイルの保存
絞り込みするために「ダウンロード」を押し、zipファイル(圧縮されたファイル)が保存されます
圧縮されたファイルを開くと中にcsvファイルが保存されているので、自分で分かる場所に保存します
ダウンロードしたデータを整理する方法(Excel活用術)
ダウンロードして保存したcsvファイルはCSV形式といって、Excelで開き、次の手順で整理すると見やすくなります
- フィルタ機能で 面積20〜30㎡ に絞る
- 築年数を 10〜15年以内 に限定
- 成約価格の列でソートし、中央値を把握
フィルタ後にソートした状態

約340件ほどの結果のうち成約価格順の中央を確認します

この作業をすれば「新宿区のワンルームの相場は2,800〜3,000万円」といった具体的な数字が得られます
相場データを投資判断にどう活かすか
調べたデータは「購入して良いかどうか」の判断材料になります。
活用例
- 3,200万円で売出されている物件 → 実際の成約相場が3,000万円なら交渉余地あり
- 築浅なのに価格が相場より安い → 賃貸需要や修繕リスクを確認する
- 取引件数が少ないエリア → 流動性が低く出口戦略に不安

つまり「数字で裏付けること」がリスク回避の第一歩です
他の無料サービスとの比較
初心者は「どのツールを使えばいいのか」と迷うかもしれません。
主要な無料サービスの特徴を比較します
- 不動産情報ライブラリ → 成約価格(国交省データ)
- レインズマーケットインフォメーション → 成約事例+平均㎡単価
- SUUMO・HOME’S → 売出価格、物件写真、広告情報
結論として、
- 相場感をつかむなら不動産情報ライブラリ
- 今の売出状況を知るならSUUMO・HOME’S
- 売却を考えるならレインズ
と使い分けるのがベストです
サラリーマン投資家として気をつけたいポイント
副業として不動産投資をするサラリーマンにとって、調査は「空き時間でできる自己防衛」です
- 営業マンの言葉を鵜呑みにしない
- 成約価格と広告価格を区別する
- データを数字で比較する
- 「利回り」だけでなく「流動性」も見る

これらを意識するだけで、失敗リスクを大幅に減らせます
まとめ|相場を数字で知ることが最初のリスク管理
不動産投資は数百万円〜数千万円単位の大きな取引です。
その第一歩である「相場を知る」をおろそかにすると、取り返しのつかない失敗につながります
- 不動産情報ライブラリは無料で使える
- 成約価格を確認することで損を避けられる
- データは複数件の傾向で見る
- 他サービスと併用して総合的に判断する

サラリーマン投資家にとって、これは必須のリスク管理術です。
最初の一歩として「相場を数字で知る」ことから始めましょう

